~ ラメールリッシュ店長・斉藤圭祐さん
■ ラメールリッシュ
7月、夏真っ盛りの沖縄。今夏も多くのダイバーたちを乗せたボートが朝に夕に、海へと繰り出していく光景は変わらない。沖縄を訪れるダイバーは年間約60万人、ダイビングは沖縄の観光経済を支える存在だ。

しかし最近、海外リゾートなどを経験したダイバーの一部から、沖縄のダイビングは「何か物足りない。」という声も多くなってきている。「沖縄には沖縄のダイビングがある。」と反論すればそれまでだ。しかし、沖縄が彼らをも満足させるダイビングリゾートへと成長する必要があるのなら、それは沖縄の誰かがやらなくてはならない。
ところで、沖縄のダイビングに「足りない物」とは何なのか?間もなく沖縄の海にひとつの答えが登場しそうだ。
「ラメールリッシュ」。沖縄最大のダイビングショップ、マリンハウス・シーサーが提案する新しいコンセプトのダイビング&クルージングサービスだ。既に専用ボートの造船が完了。8月1日のオープンに向けた最終準備が進む。
■社長からの指示、考える日々。
斉藤圭祐さんは学生時代、夏休みで訪れた沖縄でその海の美しさに心を奪われた。そして卒業後、自らの働く場所としてマリンハウス・シーサーを選び、シーサー那覇店でマリンガイドを務めてきた。しかし、今年2月。社長から、「那覇店を離れ、新しく宜野湾マリーナを拠点とした新しいコンセプトのダイビングスタイル『ラメールリッシュ』を立ち上げるよう」指示された。

「最初は驚きました。シーサー那覇店に通い、『斉藤さんのガイドで潜りたい』と言ってくれるゲストたちのことも考えました。しかし、ダイビング業界も成熟期に入り、何かこれまでとは違ったサービスを提案する必要性は感じていました。そうでなければ、この業界も、そして自分も成長しない。すぐに頭を切り替えました。」
しかし、社長が斉藤さんにくれたのは「今よりも上質なダイビングスタイル確立」という命題と、専用ボートの図面だけ。斉藤さんの仕事は、ラメールリッシュが提供すべき「上質」とは何かを考えることから始まった。
まず、斉藤さんはシーサーのゲストダイバーたちから寄せられた要望の分析にとりかかる。
「もっと少人数でのダイビング」「休憩やランチタイムの充実」「ゆったりした気分で」「アフターダイビングでのリラックス」etc.....
そんなゲストの声をひとつひとつ拾い上げていくと、沖縄のダイビングに「足りない物」は、むしろダイビング以外の時空間に散在していること、そして自らがすべきは、それらを有機的に結びつけてひとつの上質なダイビングスタイルを創ることだと、容易に気づく。海の男はしばし陸の世界における上質を考えることに。。。

順次加わった3人の立ち上げメンバーたちと共に、他の産業界での成功事例を分析し、また、一流ホテルやレストランなど世間で「上質」と言われている場所・サービス現場へと足を運び、体験する。ラメールリッシュが目指す方向性とサービスへの具現化を模索する日々は、続く。
■新しいダイビングポイントの開拓
新しいコンセプトのダイビングサービスとは言え、海中の風景とガイディング技術がゲストダイバーたちを満足させる基本であることは変わらない。5月下旬、ラメールリッシュが本拠を置く宜野湾マリーナの沖合いに大サンゴ礁群が発見されたニュースが各メディアで報道された。そんなグッドニュースにも勇気付けられてか、斉藤さんらは時折「本職」へと戻り、宜野湾沖海域を中心としたダイビングポイントの開拓を繰り返す。
「切り立ったドロップオフやトンネルなどの地形、アカウミガメやマダラトビエイの集まるポイント。宜野湾近くにも魅力的なポイントをたくさん発見しました。」
「沖縄本島にもにこんなに元気なサンゴがあるとはびっくりしました。」

メンバーたちの共通の想い。「ゲストたちを早くこのポイントに案内したい。」
■「ゆとりあるおもてなし」
6月後半に入ると、専用ボートの製作も急ピッチで進み始める。斉藤さんたちもこれまでの分析結果や体験したものを持ち寄って会議を繰り返し、サービスのコンセプトや具体的内容が徐々にまとまり出す。そして、彼らの出した答えは以下のようなものだ。
ラメールリッシュでは、「ゆとりあるおもてなし」を大切にする。「ゆとりあるおもてなし」とは、
(1)安全、安心であること
(2)思いやりの心があること
(3)居心地が良いこと
で構成される。
特に、(3)居心地が良いことについては徹底的に追求する。
ラメールリッシュの具体的なサービスは以下のようなもの。
くつろぎ空間を約束するサロンタイプのボートと絶対少人数制をベースに、沖縄西海岸の海をダイブ&クルーズ。アフターダイビングには暖かいシャワーとバスローブ、「お弁当」ではなくプレートに盛り付けたランチ、ドリンク、おやつなど。ゲストの旅行自体をゆとりあるものにするため、宿泊ホテルと宜野湾マリーナ間はゆったり車内の専用車で送迎。ダイビング器材のセッティングは全てスタッフが、また、帰港中のカードモバイル決済により下船後の煩わしい精算もなし。
(写真:ラメールリッシュのボート内サロン)
2008年8月1日、斉藤さんらのラメールリッシュが、沖縄を洗練されたダイビングリゾートへと変え始める。次号(8月掲載予定)では、斉藤さんたちの提供する「居心地の良い海」を、彼らの想いやラメールリッシュのサービス現場とともに紹介する。
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ラメールリッシュ(マリンハウス・シーサー提供)
ホームページ:http://www.la-mer-riche.com/
電話:098-862-8213
(写真:ラメールリッシュ提供 取材・文:大矢正史/沖縄ライフスタイル)